第18回
     5月12日掲載
道しるべ

 新緑の美しい季節、初めは儚げに芽吹き、白っぽく見えた森が、僅かな期間にぐんぐん緑を増していく様は、自然の見えざるエネルギーを感じさせます。アメリカ・インディアン達は、空や星や風や水、その他全ての自然を大切にし、人間もその中の「一本の糸にすぎ」ず、「あらゆるものがつながっている」と捉えていました。


 『銀河鉄道の夜』に出てくるドヴォルザークの「新世界交響曲」に影響を与えた、アメリカの詩人ロングフェローの『ハイアワサの歌』には、そうしたインディアンの生活と、アメリカ人によって土地を追われていく様子が描かれています。


 インディアン同士でも、様々な敵対心を持ち、争う中で、ギッチェ・マニトーというインディアンの神が、「お前たちの喧嘩にはうんざりだ(中略)団結にこそ力が生まれ
仲たがいにこそ危険がある。(中略)石切場から赤石を剥ぎ つくれ平和のパイプ(中略)いっしょにカリュメットをふかし これからは兄弟のように生きよ!」と諭します。そして、彼はハイアワサに、アメリカ人が来た時も、「他所者を迎えよ 兄弟や友だちのように声をかけ 心からの仲よしの右手を 会いに来たら差しだせよ」、「言葉はいろいろ違っていても、胸の高鳴りはひとつの思い」と伝えます。


 両者には、信仰の違いによる壁がありましたが、ここでハイアワサは、平和と協調の未来を信じ、「喜びと勝利のほほえみを浮かべ」ているのです。自然と調和する大きな視野に立って物事を考える彼らの姿は、私達に平和への道しるべを与えてくれています。

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