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今年も残りあと1ヶ月。平和な世界をと願いつつも、連日報道されるのは痛ましい戦争のニュースばかり−。宮澤賢治は、『銀河鉄道の夜』の中で、人は皆、自分の信じる神こそ唯一だと言うけれど、各々の宗教の違いを越えて、「たったひとりのほんたうの」神のもとで生きなければ、幸せは得られないと書いています。銀河鉄道の汽車に乗り、「幻想第四次」という死者達の世界を旅することで見えてきた、本当の幸せにつながる方法を、生者の世界に持ち帰り、カムパネルラとの死別の悲しみを乗り越え、勇気を持って生きていこうと決意したジョバンニ。それはきっと、賢治自身の考えでもあったのでしょう。
賢治が愛した音楽家の一人、ベートーヴェンも、その苦難に満ちた生涯の中で、晩年、「交響曲第9番《合唱付》」(「第九」)を作曲し、本当の喜びというものを示してくれました。彼は、失恋・貧困・病による、絶望感に苛まれた瞳で星空を見上げ、そこから宇宙の普遍的な法則を感じ取り、自らの作品に生かしました。彼の愛読書であった、或る本の中には、「わが上なる星しげき空とわが内なる道徳法則」という言葉があり、それは彼に大きな影響を与えました。人間は微小な存在に過ぎないが、その本質は、天体と同じく、永遠にして崇高なものなのだということでしょう。
最近流行りのSMAPの歌ではないけれど、一人一人かけがえのない存在。「第九」は、人類が皆兄弟となって愛し合うことの大切さを、強く歌っています。皆で、ベートーヴェンからの音によるメッセージを受け取り、平和な世界を実現させたいものですね。
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