第9
   12月14日掲載
「週刊二葉便」裏話
先日、某国立大学の教授をしている父が、肺炎で入院してしまいました。仙台を離れているため、早速看病に出かけました。一時は低酸素になり、医師である兄もかけつけるなど、皆で心配しましたが、大学病院の敏腕先生方のおかげで、無事回復し、退院出来ました。その間、2週間余り、手元に自分のパソコンもなく、期限ギリギリになって漸く送った原稿を、Tプロデューサーは、1字1字丁寧にフロッピー化して下さいました。その支えがあって、「週刊二葉便」は何事もなかったかのように継続されました。感謝の念にたえません。


大学病院は、重病人が多く、守られている安らかさと、病と向き合う暗さが混在していました。大手術を前に検査を繰り返す人、下がらない熱と闘う高校生、などなど。その中で、医師と看護師の皆様は、生き生きと博愛の心を持って働いていました。


12月になると、各病室の入口にはミニリースが飾られ、優しい季節感を誘い…。私と同年齢位の女性もいて、毎日病床でCDを聴く姿を見かけました。堀辰雄には、音楽が痛みを軽減すると信じ、病臥する友人の枕元に蓄音機を運んだという、有名なエピソードがあります。その信憑性はともかく、生きることは死を孕むものである故、人間は皆等しく脆いものとも言えます。内村鑑三は、『後世への最大遺物』の中で、誰にとっても実現可能な遺物として、「勇ましい高尚なる生涯」を挙げています。お金でも、名誉でもなく。


私達は、どんなに光の見えない時でも、内村が残してくれたこの言葉を支えに、勇気と希望を持って生きてゆけたらいいですね。
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